ばんごはん何時

140文字で言い切れないなと思ったこととか、ただのぼやきとか。

食い物にされる自然派ママ

数週間前、twitterで「#自然派ママの新常識」というハッシュタグが流行した。ここで言われる自然派ママとはざっくりどんな人々かと言うと、オーガニックやホメオパス信者で、子供の健康を心配したり、アレルギーなどで辛い思いをさせたくない、という気持ちから健康食品や民間療法を生活に取り入れだし、いつのまにやらそれが謎のトンデモ療法信者になってしまったお母さんたちの事だ。具体的にどういうものか、気になる方は是非ググっていただきたい。

「#自然派ママの新常識」を付けたツイートは後半になると、そんなお母さんたちにありそうな話という大喜利大会になった。私は以前からtwitterでこの様な「自然派ママ」や「オーガニック至上主義者」の事は度々disっていたので、もちろん参加した。

 

facebookは自然派ママの駆け込み寺か

twitter2ちゃんねるではdisとあざ笑いの的となった自然派ママだが、facebookでは違う反応だ。

 

toianna.hatenablog.com

 こちらの記事をシェアした誰かの投稿を、また誰かがシェアだかいいねをしただかで、私のTL上にも上がってきた。facebookは2016年の1月から「いいね」のボタンに細かく感情を表現することができるようになっている。これによって、コメントするほどでもなかったり、言葉にはできないけどアクションはしたい場合、その記事に何かしらの反応をすることができる。たとえそれが、悲しみや怒りの反応でもだ。(なのでfacebookは「いいねボタン」の改名したほうがいいよね、ほんと。)注目すべきはこのシェア投稿への「いいね」の感情の種類が、怒り顔と泣き顔が多くを占めていたことだ。twitter2ちゃんねるとは真逆で、「笑い者にして、ひどい!」とか「そんな事言うなんて悲しい」といった意見も見て取れる。facebookは一般的にインターネットではdisられている「自然派ママ」自身が主に反応しているのだろう。

 私自身はそもそも、初めから「自然派ママ」や「オーガニック至上主義者」を毛嫌いしている立場ではなかった。やりたいことは勝手にやればいいし、人それぞれである。ではなぜここまで嫌悪感を抱いているのかというと、彼らの選民思想や、至上主義的考えを感じたり、実際に受けたりしたからだ。3.11以降、オーガニッカーの気性の荒さとトンデモ具合はかなり上昇している気がする。もちろん東北の震災や原発事故はとてつもなく大きな事件だ。でも、だからこそ、パニックにならずに冷静になるべきではないのか。このパニックやトンデモをさらにヒートアップさせているのは、facebookのシェア文化が大きく加担している様に思う。

facebookに生息するオーガニッカーたちはとにかくシェアが大好きである。ネットサーフィンの中でたまたま見つけたブログの一記事でピンときたらそのままなんでもだ。記事を読んで直感的に自分の意見と合ったりしたものを反射的にシェアしているようにみえる。facebookはシェアするときに自分の意見をつけて投稿することができるのだが、この「自分の意見付きシェア」をしている人がとても少ない。ブログ記事のスクラップブック的な感覚なんだろうと思う。しかし恐ろしいのは、そのシェア元記事を書いているブロガーが普段どんな記事を書いていて、どんな思想を持っているかということを完全無視している傾向がかなり大きいことである。

極端な例えだが、狼少年の近所に住んでいる人間はもちろん狼少年のいう事は信じない。しかしたまたま狼小年の住む街にきた旅行者ならどうだろう、信じてしまうかもしれない。シェア文化の怖いところは、例えばこの狼少年がたった今親切にしてくれたと感じたら、即座に「この少年、めっちゃいい奴」と拡散できる所だ。

 

テレビの価値って、まだそんなにあったんですね。

基本的に自然派ママやトンデモオーガニッカーたちは情弱である。「テレビでは報道されていない事がこんなにもインターネットには載っている!インターネットに真実がある!」という考えは随分時代遅れだ。こんなに簡単に名もなき一般人が記事を書けるのだから、むしろテレビよりもホントかどうか怪しい情報が多いし、疑っていったほうがいいのに、インターネットへの信頼度は異様に高い。なぜそんなに信頼してしまうのかというのは、やはりにじみ出る「口コミ感」だろう。メディアの放送よりも近所のオバちゃんがする噂話のほうが身近でリアルなのは昔から変わらないのだ。

 

自然派ママやトンデモオーガニッカーよりも嫌なもの

さて、ここまで言って結局何が言いたいのかというと、私は単純に「自然派ママ、プギャー!」をしたいわけではないのだ。そんなことならtwitterで事足りるのだ。(してるのかよ)一番嫌悪なのは、こういう情弱だったり、健康に不安を持っている人に怪しいコンテンツを吹き込んで金を稼いでいる奴の匂いがプンプンするからである。少し前にfacebookでオーガニッカーの神的存在だった某医師なんかに代表されるが、こういう人々はとにかく口がうまく、どこがソースなのかはわからないデータや研究結果などを巧みに引用しているのが特徴だ。「こういうものをチェックしている私はあなたたちより賢く教養があるんですよ」という態度を全面に押し出し、次にとにかく不安を煽る。中には人格否定レベルの派手なものや、宇宙人がどうとかといったまさにトンデモなものまでさまざまだ。しかし最終的には「これに気づいたあなたたちは、もう大丈夫だよ」と優しく抱きしめてくれる。どう見ても新興宗教や詐欺師の手法である。そこそこのフォロワー数を手に入れると、「あなたたちにもっと幸せになってほしい」といった「あんたに私の何がわかるのさ?」と言いたくなる様な理由で高額なセミナーや通信販売を始める。彼らは実際とっても商売上手な人々なのだ。

健康食品の販売や、ノウハウを伝授して金銭を手に入れる事について嫌悪感を抱いているのではない。人に言えなかったり、わかってもらいにくい悩みや、過去の挫折や不安につけこんで金儲けをするセンスの悪さに嫌悪なのだ。そして大抵そういうビジネスのキャッチコピーやスローガンは「じぶんにも人にも優しくしよう、みんなでいっしょに健康的になろう」といった意味合いのものだったりする。そっくりそのまま言ってやりたい。「人の弱みにつけこむ商売をする人間こそ、健康的になってくれよ」と。

 

(これらのツイートから言いたくなりました)